マンション購入前に「大規模修繕」の予定期間を確認しましょう

マンション購入前に「大規模修繕」の予定期間を確認しましょう

マンション購入後は「大規模修繕」に備えた修繕積立金を納めていただくようになります。

一般的な大規模修繕は12年程度で繰り返すのですが、18年周期などに間隔を伸ばすマンションも増えています。

 

この6年の違いが、長い目では大きな費用差になることをご存じでしょうか?

 

 

■マンション購入前の注意!「大規模修繕」について把握をしましょう!

そもそも大規模修繕とは、どのようなマンションでも基本的に経年劣化するため、特に外壁防水や補修を行い、マンションの基本性能を維持するために実施される修繕とされています。

外壁工事は建物全体に仮設の足場をかけた大掛かりなものとなるため、それに併せて他の部分も一緒に補修や工事を実施します。これが一般的な大規模修繕工事となります。

その費用は昨今の人手不足などにより上昇が続いています。その大規模修繕費をおさえようと考えだされたのが12年毎の修繕機関ではなく、18年に延長しようというものです。

大手不動産事業者は相次ぎ「最長18年周期の修繕」提案に切り替えています。

 

もっとも、基本的に自社系列の分譲マンションを長周期化の対象とする会社が多く、他社分譲の管理引き受けを行う東急コミュニティー社も、マンション管理受託が条件でこのような提案を実施されているようです。

 

 

■不動産購入後になるべきこと!大規模修繕の長周期化の検討をおすすめ!

まだ、どのようなマンションでも大規模修繕の長周期化がかのうであり、適切な材料や工法を選び、大規模修繕の合間の中間補修もしっかり実施するなら問題はないようです。

勿論、長周期化で一回の大規模修繕コストは上昇するのが一般的です。

その理由としては長周期化する際は基本的に高い耐久性がある材料を使うことになり、外壁防水に使う「シーリング材」などが典型です。

12年周期で使う材料より長持ちし、保証期間なども長いので高価格になります。しかし、12年から18年の大規模修繕の党周期化で、一回の費用は10%程度上がるだけです。

 

大規模修繕の周期が長くなる分、その合間に行う項目も増え、その費用も加算されますが、12年毎に行うよりもコスト面では安く抑えられるケースが多いようです。

 

 

■事前の備え「大規模修繕」の長周期化のメリットを把握する

長周期化のメリットはマンションの規模によっても川ありますが、60年間の総費用が数億円変わるというケースもあり、多くの所有者が年金生活となり収入が減る時期まで見通すと、この差が老後生活に及ぼす影響は少なくありません。

逆に12年周期では途中で修繕積立金が不足し、高齢期に数十万円など多額の臨時徴収を迫られる可能性もあるため、18年周期での大規模修繕が広がる理由がわかります。

ちなみに、大規模修繕費用の約2割は足場のコストが占めているといわれています。

足場をかける回数が減れば、当たり前ですがコストを圧縮することにつながります。

野村不動産パートナーズや三井不動産レジデンシャルが一定条件を置いて行った資産でも、長周期化により60年間で総費用が14%程度削減できるとなっているようです。

 

マンションの規模等によっての個別事情で削減額には差がありますが、長い目で見れば長周期化でコストが抑えられることは、マンション所有者にとってのメリットにもつながります。ぜひ、今後の参考にお役立てください。

 

不動産事業部 松島豊

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